さまよう爪
窓の外から雀の鳴き声と子供の笑い声が聞こえる。
閉め切ったカーテンの隙間から見える一筋の日光へ眸を向けた。
せっかくの日曜日なのにもう昼すぎか。
でもやっぱり眩しくなって、気づけばまたテーブルの上を見る。
繰り返して、変化のない景色だ。
昼間なのに部屋は薄暗くて、空気も重い。
昨夜は結局どうしたんだっけ……
『今夜行ってい?』
そうLINEが来て、
『いいよ』
と返し、わたしは作りかけのミートソースの量を増やした。
ひとりで食べるつもりで作っていたから作りかけに残っていたひき肉を投入すると、炒めるよりソースで煮てしまう。
トマトのペースト缶の中をスプーンで刮いで、ケチャップで水増しをする。
ちょっと味が薄かったからコショウでごまかした。
直人の舌ならきっと気づかないと思って。
閉め切ったカーテンの隙間から見える一筋の日光へ眸を向けた。
せっかくの日曜日なのにもう昼すぎか。
でもやっぱり眩しくなって、気づけばまたテーブルの上を見る。
繰り返して、変化のない景色だ。
昼間なのに部屋は薄暗くて、空気も重い。
昨夜は結局どうしたんだっけ……
『今夜行ってい?』
そうLINEが来て、
『いいよ』
と返し、わたしは作りかけのミートソースの量を増やした。
ひとりで食べるつもりで作っていたから作りかけに残っていたひき肉を投入すると、炒めるよりソースで煮てしまう。
トマトのペースト缶の中をスプーンで刮いで、ケチャップで水増しをする。
ちょっと味が薄かったからコショウでごまかした。
直人の舌ならきっと気づかないと思って。