「さよなら」のその先
そして…



「……っ!!」



偶然私の隣に腰を下ろした。

別に一目惚れの彼の訳じゃないのに何故か鼓動が早くなる。




…もしこの音が隣の彼に聞こえてたらどうしよう




私は脳内が半分パニック状態に陥っていた。

そのため制服のポケットから取りだそうとした携帯が床に落ちてしまった。



「あっ」



慌てて携帯を拾おうと手をのばすと、私の手の横を少し筋肉質な腕が通り、携帯を掴んだ。



「…え」



身体を起こし、隣の彼を見る。

彼は無表情のまま、掴み取った携帯を私に差し出す。

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