「さよなら」のその先
「…えと、有難うございます」



私はお礼を言い、携帯を受け取った。

瞬間、彼の頬が一気に赤く染まる。



「…あの?」



不思議に思い、彼の顔を覗こうとするが、彼は完全に余所を向いてしまい、中々見る事が出来ない。


暫く考え、彼が赤くなる理由について少し心当たりを見つけた。




…そう言えば私が携帯を受け取る時、一瞬だけど指が触れあったっけ




私はもう一度彼に声を掛ける事にした。

今度はちゃんと会話として…



「あの…、鷹坂校の人ですよね?」



私の声に反応して彼は頷く。

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