「さよなら」のその先
お説教がすんだのは、皆が部活を終えた後のことだった。

 とにかく長い。

同じ言葉を何回も注意してくる。

私はすっかり疲れはててしまっていた。



 「やっと帰れる…」



 もう足許もフラフラだ。

 ここからまた、満員電車に乗らなくてはならないということを思うと寒気がしてきた。




 …でも、もしかしたらあの人に会えるかも……!




 私が一目惚れをした相手。

彼に会うことが出来るのではないかという、微かな希望が今の私を支えている。

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