「さよなら」のその先
私が肩を竦めると、



「なんでそんな緊張してんだよ」



彼は微笑混じりに言った。



「え……」



目を開けると、見慣れた格好の彼が――
いや、彼そっくりの人が立っていた。



「……浅倉くん?」


「あぁ、うん」




浅倉くんだったんだ…


確か浅倉くんもあの人と同じ、新影駅で降りるんだっけ…




私が椅子に腰を掛けると、彼も同じようにして隣に座った。




…そういえば、浅倉くんと初めて会ったとき、彼は自己紹介の後にお兄さんがいることを言ってたような…




私はあのとき、彼が何を言いかけて降りたのか気になり、聞いてみようとした。

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