「さよなら」のその先
私立鷹坂高等学校。

街中に立っている、普通の私立校だ。

そして私、佐々木京香の通っている高校でもある。






「京香~、今日一緒に帰ろう?」



夕暮れ時。また帰宅ラッシュが始まる時間帯だ。



「あ、うん。良いよ」



窓際の私の席に、友人の立花八重が寄ってくる。

私は急いで机の中を片付け、八重に微笑み掛ける。

八重は私が窓の外を見ていた事に気付いたのか、



「…また例の彼、探してたりしてる?」



少しいたずらっぽく言ってきた。



「そっ、そんな事は…っ」



心中を言い当てられて動揺する私に、



「もしかして図星だった?京香慌てすぎ」



八重は可笑しそうに笑う。

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