意地悪上司は私に夢中!?
「やっぱり昨日は二日酔いで遅刻だったんだね」
トレイをテーブルに置きながら、花はクスクスと笑った。
今日の私は社食の横で売っている焼きたてパンの、小さなバターロール。
花は日替わりAだ。
まだ胃の調子がおかしいのは、歳のせいだろうか。
それともそうとう飲みすぎたんだろうか。
花はニヤリと笑って少し顔の位置を低め、私もつられて位置を低くする。
「永瀬さんとなんかあったでしょ」
「なっ!?」
思わず大声が出て、トレイを持って通りかかった人がビクッとこっちを振り返った。
「…何言ってんの。なんかって何のこと」
声を潜めつつも、かなり動揺している自分がいる。
「だって昨日、出張から帰ってきた永瀬さん、歩美の二日酔いのこと全然いじらなかったじゃん。
どう考えても不自然だよ」
…完敗だ。花はよく見ている。
過ちが起きたわけじゃないのは確かなんだから、ここは正直に話してしまったほうが逆に怪しまれなくて済むだろう。
「…泥酔しちゃって泊めてもらった。でも、何にもないよ」
「…何にもないわけなくない?」
花は首を傾げる。
「本当に何にもなかったの。それどころか二日酔いの薬とか食べやすいゼリーとか用意してくれてて、別人かと思った」
唸り声を上げながら、腑に落ちないように花は箸をくわえる。
トレイをテーブルに置きながら、花はクスクスと笑った。
今日の私は社食の横で売っている焼きたてパンの、小さなバターロール。
花は日替わりAだ。
まだ胃の調子がおかしいのは、歳のせいだろうか。
それともそうとう飲みすぎたんだろうか。
花はニヤリと笑って少し顔の位置を低め、私もつられて位置を低くする。
「永瀬さんとなんかあったでしょ」
「なっ!?」
思わず大声が出て、トレイを持って通りかかった人がビクッとこっちを振り返った。
「…何言ってんの。なんかって何のこと」
声を潜めつつも、かなり動揺している自分がいる。
「だって昨日、出張から帰ってきた永瀬さん、歩美の二日酔いのこと全然いじらなかったじゃん。
どう考えても不自然だよ」
…完敗だ。花はよく見ている。
過ちが起きたわけじゃないのは確かなんだから、ここは正直に話してしまったほうが逆に怪しまれなくて済むだろう。
「…泥酔しちゃって泊めてもらった。でも、何にもないよ」
「…何にもないわけなくない?」
花は首を傾げる。
「本当に何にもなかったの。それどころか二日酔いの薬とか食べやすいゼリーとか用意してくれてて、別人かと思った」
唸り声を上げながら、腑に落ちないように花は箸をくわえる。