意地悪上司は私に夢中!?
「で、龍二くんのことはどうよ」

「うん、荷物も送ったし、あとは時間が解決してくれるかなって感じ」

「そっか、よかった」

心の底から安堵したように息を吐く綾乃。

心配してくれてたんだな。ありがたい。

「…龍二と別れてから、意地悪な上司のはずだったのに、最近ちょっとやさしかったりして、そっちで紛らわされてるとこもあるんだ」

「元は意地悪じゃなかったってことじゃないの?」

「どうなんだろ…少なくとも会社では意地悪。
だけど、なんだか家だとね、違う人みたいに見えるんだ」

綾乃はクスクス笑いだした。

「…どうしたの?」

「なんかすでに恋の始まる予感がするなーと思って」

「べっ別にそんなつもりないんだけど」

「どーだか」

綾乃は意味ありげに笑った。




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