意地悪上司は私に夢中!?
タクシーで到着したホテルは、レトロな雰囲気の洋館。

創業100年とか、そういう歴史の長さが売りなんだろうか。

時間は8時20分前。

このホテルは有名な高級ホテルで、いかにもセレブな女性や、お金持ちそうなおじさま方が行き来している。

完全に場違いな私は、そわそわしながらロビーで王様の椅子のようなソファに腰かけ、時間を潰していた。

何度もエントランスのほうを見てみるけど、永瀬さんが現れる気配はない。


本当に大丈夫なのかな…

胃がキリキリしてきて、思わずぐっと手で押さえた。

そういえば昨日の夜から何も食べていない。


大きく深呼吸。

…今は信じるしかない。

『必ず守る』

永瀬さんの言葉を。

真剣な瞳を。


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