意地悪上司は私に夢中!?
その隣ではキャバ嬢みたいな髪型のかわいい女性が口を尖らせ、奥にも2,3人いるようだった。

「…っなんで…」

杉田部長の顔がどんどん青ざめていく。

「どういうことよ!他にも付き合ってる人がいたの!?」

女性たちが私を押しのけて、扉の向こうの杉田さんに詰め寄る。

「奥さんと別れて結婚してくれるって言ったじゃない!」

「それ私も言われてたわよ?杉田さん!騙してたの!?」

「ちょっ…落ち着いて。他のお客さんに迷惑になるから」

「それが何だって言うのよ!」


何が起きているかわからず呆気に取られていたら、後ろからぐいっと腕を引っ張られた。

人差し指を唇の前に立て、しーっと合図をしているサングラス姿の永瀬さん。

そのまま私の手をしっかり掴んで、階段の踊り場まで下りた。

上ではまだ言い争っている声が聞こえる。


「…どういうことですか?何がなんだか…」

頭の中が混乱しすぎて、何を聞けばいいのかもわからない。

ふうっと小さくため息をついて、永瀬さんはサングラスを外した。



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