意地悪上司は私に夢中!?
帰りの車はひどく疲れていた。
自分で思っていたよりもずっと気を張っていたみたいだ。
杉田部長の修羅場のその後が気になるけど、もう二度と会いたくないし、実際会うこともないだろう。
「…永瀬さん、急だったし、この作戦がうまくいかなかったらどうするつもりだったんですか?」
「お前をさらって逃げて、MIGAに直訴だな。上の人間巻き込んで、揉み消せないくらいの騒動にはしてやろうと思ってた」
「そんなことしたら、プロジェクト台無しになるかもしれないじゃないですか」
「まあそうなったら、責任負って会社辞めるくらいの覚悟はしてたけど」
「辞めるって…!!」
思わずシートから起き上がった。
「そんなの、私が辞めたら一番穏便に…」
「専門書まで読んで頑張って勉強してるお前を、辞めさせるわけにはいかねえよ」
永瀬さんは何の気なしに言う。
私に『自分を犠牲にしようなんて考えるな』って言ったくせに。
永瀬さんは私のために自分を犠牲にする覚悟をしてくれていたんだ。
「…ありがとう永瀬さん」
「素直なお前なんてお前らしくねーよ」
永瀬さんはいつも通り悪態をついたけど、私は嬉しくてふふっと笑った。
自分で思っていたよりもずっと気を張っていたみたいだ。
杉田部長の修羅場のその後が気になるけど、もう二度と会いたくないし、実際会うこともないだろう。
「…永瀬さん、急だったし、この作戦がうまくいかなかったらどうするつもりだったんですか?」
「お前をさらって逃げて、MIGAに直訴だな。上の人間巻き込んで、揉み消せないくらいの騒動にはしてやろうと思ってた」
「そんなことしたら、プロジェクト台無しになるかもしれないじゃないですか」
「まあそうなったら、責任負って会社辞めるくらいの覚悟はしてたけど」
「辞めるって…!!」
思わずシートから起き上がった。
「そんなの、私が辞めたら一番穏便に…」
「専門書まで読んで頑張って勉強してるお前を、辞めさせるわけにはいかねえよ」
永瀬さんは何の気なしに言う。
私に『自分を犠牲にしようなんて考えるな』って言ったくせに。
永瀬さんは私のために自分を犠牲にする覚悟をしてくれていたんだ。
「…ありがとう永瀬さん」
「素直なお前なんてお前らしくねーよ」
永瀬さんはいつも通り悪態をついたけど、私は嬉しくてふふっと笑った。