意地悪上司は私に夢中!?
まだ週が明けたばかりなのに、この前のホテルの件の疲れをまだ引きずっているのか、どうも身体中がだるい。
いつもはシャワーで済ませるところだけど、今日はお風呂にお湯をはった。
長風呂をして脱衣所に出た時だった。
床を黒い影がすごい早さで蠢いていった。
一瞬フリーズしたのち。
「き…キャーッ」
悲鳴をあげながら大パニックでリビングへ戻り、裸のまま電話を手に取った。
龍二…はもう別れてる。
ここまですぐに駆けつけてくれそうなのは…
永瀬さんのアドレスをタッチし、電話を掛けた。
『もしもし』
「永瀬さん助けて!」
『あ?どうした?』
「助けて!すぐに来て!今すぐ!」
『あ、ああわかった。落ち着け。
5分待て』
電話が切れた後、その辺に転がっていた部屋着を着て、外へ出た。
部屋の前の壁に寄りかかって座り込み、ひたすら永瀬さんが来るのを待った。
髪の毛から雫がぽたぽた落ちている。
タオル、持ってくるの忘れちゃった。
でも取りに行く勇気もない。
…あいつだ。
私が世界一嫌いなあいつ。
あいつがとうとうこのオンボロアパートに狙いをつけたんだ。
恐ろしくて背筋が凍ってしまいそうだ。
「鈴原!」
息を切らして階段を駆け上がってくるのは永瀬さんだった。
思わずその腕をぎゅっと掴んだ。
「何があった」
「助けてください。Gが…」
「G?」
恐怖で震えが止まらない。
「カサカサ動く黒い物体です。名前を呼ぶのも憚られるような恐ろしいあいつです」
「ああ。ゴキブ…」
「名前を呼ばないでください!!」
私の必死の訴えに少し沈黙した永瀬さんは、ふうっとため息をついてしゃがみこんだ。
「…バカかっ!何事かと思ったじゃねーか!」
「だからGですよ!大ごとです!」
「お前よく見たら髪も濡れっぱなしだぞ。ずっと外にいたのか」
玄関を開ける永瀬さんの背中に捕まり、恐る恐る中に入る。
いつもはシャワーで済ませるところだけど、今日はお風呂にお湯をはった。
長風呂をして脱衣所に出た時だった。
床を黒い影がすごい早さで蠢いていった。
一瞬フリーズしたのち。
「き…キャーッ」
悲鳴をあげながら大パニックでリビングへ戻り、裸のまま電話を手に取った。
龍二…はもう別れてる。
ここまですぐに駆けつけてくれそうなのは…
永瀬さんのアドレスをタッチし、電話を掛けた。
『もしもし』
「永瀬さん助けて!」
『あ?どうした?』
「助けて!すぐに来て!今すぐ!」
『あ、ああわかった。落ち着け。
5分待て』
電話が切れた後、その辺に転がっていた部屋着を着て、外へ出た。
部屋の前の壁に寄りかかって座り込み、ひたすら永瀬さんが来るのを待った。
髪の毛から雫がぽたぽた落ちている。
タオル、持ってくるの忘れちゃった。
でも取りに行く勇気もない。
…あいつだ。
私が世界一嫌いなあいつ。
あいつがとうとうこのオンボロアパートに狙いをつけたんだ。
恐ろしくて背筋が凍ってしまいそうだ。
「鈴原!」
息を切らして階段を駆け上がってくるのは永瀬さんだった。
思わずその腕をぎゅっと掴んだ。
「何があった」
「助けてください。Gが…」
「G?」
恐怖で震えが止まらない。
「カサカサ動く黒い物体です。名前を呼ぶのも憚られるような恐ろしいあいつです」
「ああ。ゴキブ…」
「名前を呼ばないでください!!」
私の必死の訴えに少し沈黙した永瀬さんは、ふうっとため息をついてしゃがみこんだ。
「…バカかっ!何事かと思ったじゃねーか!」
「だからGですよ!大ごとです!」
「お前よく見たら髪も濡れっぱなしだぞ。ずっと外にいたのか」
玄関を開ける永瀬さんの背中に捕まり、恐る恐る中に入る。