意地悪上司は私に夢中!?
「私は奴が世界一嫌いなんです!
そんなのがいきなり出てきたらびっくりするのは当然でしょ!」

「びっくりしたのはこっちだ!
なにかあったのかと思ったじゃねーか!!」

「何かあったから電話したんですっ」

「あーもうっ」

永瀬さんはガシガシと頭をかいた。

不毛な言い争いはとりあえず私が勝利したらしい。


「…今日は泊めてやるから。
さっさと寝ろ。Gはいねえから」

「…はい」

時間が経って頭が冷えてきた私は、今更永瀬さんにとんでもなく迷惑をかけてしまった実感がわいてきた。

上司に失礼な態度ばかり取っていることを、昼間の社食で少し反省したばかりなのだ。

なのにさらに失礼すぎる態度を取ってしまった。

だけど龍二と別れてしまった今、もうほかにすぐに駆け付けてくれそうな人は思い浮かばなかったのだ。

申し訳ないけど、今家に戻ることはできない。

Gのショックが大きすぎてあの家では眠れない。


「…お言葉に甘えて寝かせていただきます」


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