意地悪上司は私に夢中!?
「…ただ、一個謝らなきゃいけないことがある」
少し間をおいて、深刻そうに呟く声。
「…なんですか?」
永瀬さんは運転したまま口元を手で覆った。
「この前、薬を飲ませるとき…」
「ああ。大丈夫。知ってます」
永瀬さんは拍子抜けしたように丸い目をして私を見た。
「…正直ですね。私、意識が朦朧としてたんだし、黙ってればバレないのに」
クスクス笑ったら、口をへの字に曲げて、また首の後ろをポリポリ掻いた。
車がアパートの前に着いたとき、外はもう真っ暗だった。
車をアパートの前につけてくれて、私は頭を下げてお礼を言った。
「ありがとうございました」
「いや、こっちこそ急に付き合わせて悪かったな」
なんだか離れがたいな。
一日一緒にいたから…
「じゃあな」
「…あのっ」
考える間もなく声が出ていた。
バカみたいだよね。
昼間龍二のことで泣いたくせに。
だけど、やっぱりそれを救ってくれたのは永瀬さんの温もりで…
永瀬さんのやさしさが、今日はたくさん感じられて…
嬉しかった。
もっと一緒にいたいと思った。
「…またっ誘ってくれますか?」
永瀬さんは目を見開いたあと、嬉しそうにはにかんで、ああ、と言った。
初めてみたその子供みたいな笑顔に、また胸が騒いだ。
少し間をおいて、深刻そうに呟く声。
「…なんですか?」
永瀬さんは運転したまま口元を手で覆った。
「この前、薬を飲ませるとき…」
「ああ。大丈夫。知ってます」
永瀬さんは拍子抜けしたように丸い目をして私を見た。
「…正直ですね。私、意識が朦朧としてたんだし、黙ってればバレないのに」
クスクス笑ったら、口をへの字に曲げて、また首の後ろをポリポリ掻いた。
車がアパートの前に着いたとき、外はもう真っ暗だった。
車をアパートの前につけてくれて、私は頭を下げてお礼を言った。
「ありがとうございました」
「いや、こっちこそ急に付き合わせて悪かったな」
なんだか離れがたいな。
一日一緒にいたから…
「じゃあな」
「…あのっ」
考える間もなく声が出ていた。
バカみたいだよね。
昼間龍二のことで泣いたくせに。
だけど、やっぱりそれを救ってくれたのは永瀬さんの温もりで…
永瀬さんのやさしさが、今日はたくさん感じられて…
嬉しかった。
もっと一緒にいたいと思った。
「…またっ誘ってくれますか?」
永瀬さんは目を見開いたあと、嬉しそうにはにかんで、ああ、と言った。
初めてみたその子供みたいな笑顔に、また胸が騒いだ。