独り占めしても、いいですか?
「よしっ、じゃあ僕がホテルまで送ってあげる!」



「えっ⁉︎」



ここからホテルって…タクシーでも20分くらいかかるんじゃ…



撮影、大丈夫なのかな?



「だってひよちゃん、ここに居づらいでしょ?

僕達だってずっと一緒には居てあげられないし…それなら」



「さすがにそれは厳しいんじゃないかな?

撮影詰まってるし…」



困り顔の秀ちゃんが言った。



やっぱりそうだよね。



「えーーー!

だって秀ちゃん、こんな状態のひよちゃんを放っておけって言うの⁉︎」



「そうじゃないよ、けど他の人に迷惑はかけられないだろ?」



「むぅ…」



優ちゃんが負けた。



まぁ、秀ちゃんに勝てる人なんて私達の中にはいないんだけどね。



「日和、マネージャーさんにホテルまで送ってもらえるよう頼むから、それでもいい?」



マネージャーって…げっ、御厨さん…



「うんっ、大丈夫!

ありがとうっ」



秀ちゃんは私が御厨さん苦手なの知ってる。



それでもいいかって聞いてるんだから、それくらい切羽詰まってるんだ。



わがまま言えない。


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