独り占めしても、いいですか?
秀ちゃんがスタッフの方に戻って行き、その間私は優ちゃんとお喋りをする。



少しすると、いつもの通り、無愛想な顔の御厨さんが来た。



秀ちゃんは監督さんとの打ち合わせで、こっちには戻ってこれなかったみたい。



「あっ、ミクちゃん!」



御厨さんが来たのをみて、『わー!』と飛びつく。



『御厨』の『御』をとって『みくちゃん』。



なんで優ちゃんはこの人好きなんだろう…



「あのっ、えっと、よろしくお願いします」



苦手だけど、私がこの人に迷惑をかけるのには変わりない。



ぺこりと頭を下げた。



「車を回してくる。

そこら辺の道路で待ってなさい」



「はい、ありがとうございますっ」



御厨さんはスタスタと駐車場の方へ歩いて行った。



あのキリッとした感じが、なんとなく苦手…



超合理主義者みたいな空気が漂ってる。



私達も駐車場から道の繋がってる近くの道路へ移動した。


< 105 / 721 >

この作品をシェア

pagetop