独り占めしても、いいですか?
「優ちゃんは、マネージャーさんのこと、好き?」



特に悪意はないけど、なんとなく気になって聞いてみた。



「うんっ、大好きだよ!

ひよちゃんは嫌いなの?」



「嫌いじゃないけど…

ちょっと苦手…かな?」



優ちゃんが誰にでも好かれる弟タイプなのはわかってるけど…



優ちゃんと御厨さんは…あんまり合わない。



「へぇ〜!

ミクちゃん、意外とおもしろいんだよ?」



そう言われてあの顔を思い出す。



あの人が…おもしろい?



試しに腹踊りしてるところを想像しようと思ったけど…



ダメ、できない。



「あ、ミクちゃんの車来たみたい!」



優ちゃんの指差す先には、いかにも高級車って感じの黒い車があった。



なんか、納得。



車はが目の前で止まると、優ちゃんがドアを開けてくれる。



まるでお姫様みたい。



優ちゃんにお礼を言って車に乗り込むと、ドアを閉める前に



「ひよちゃん、お願いだから、ホテルの外には出ないでね!」



「え?うん、何もないから出ないと思うけど…」



『どうして?』と言おうとしたところで



「行くぞ、俺にも仕事がある」



と御厨さんに言われて、



「すみません、お願いします」



と言うしかなかった。


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