独り占めしても、いいですか?
うっ…気持ち悪い…



考えれば考えるほど吐き気がしてくる。



でも、朱莉ちゃんにお土産は買ってあげたい。



凛達にも、お疲れ様って言って、何か美味しいものを用意してあげたい。



歩かなくちゃ、進まない。



私は再び下を向いて歩き出した。



でも、吐き気と頭痛でフラフラする。



「はぁ…はぁ…うっ」



「大丈夫ですか?」



優しそうな声で顔を上げると、そこにいたのはスーツの男性だった。



その瞬間だけでも、男性の奥に見える人達の視線が辛い。



「ごめんなさい、大丈夫、です。

いつものことなので」



苦し紛れに笑顔で返すと、私は1番近くのお店を目指して足を進めた。


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