独り占めしても、いいですか?
急いで絢香を探すため、店内を走り回る。



でも、広いし、辺り一面水着だらけで見つからない。



「あっ、あや…か」



やっと見つけたところで足を止めた。



「西原 絢香さんですよね!

私、大ファンなんです!

サ、サイン…お願いできませんか⁉︎」



「ええ、もちろん。

いつも応援ありがとう」



そう言ってニコッと微笑む絢香を見て、芸能人であることを改めて感じさせられる。



「えっ!うそ、あれ西原 絢香⁉︎」



「ほ、本物⁉︎」



次第に周りが騒ぎに気付き始めた。



女優モードの絢香はさっきとは全くの別人。



こんな人と私が友達でいいのかな…



と、思いつつも、本当の絢香を私だけに見せてくれたのが少し嬉しくもあった。


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