独り占めしても、いいですか?
「それに、私とこの子のデートを中断させてまで行きたい所があるんでしょ?

あなたは私との買い物よりもこの子を楽しませてくれるのかしら?」



蔑むような目で見下す絢香。



「えっと、いや、それは、その…」



予想外の展開に男の子は口をパクパクさせる。



私も初めて見る強引なナンパの対処法に、開いた口が塞がらない。



「ふんっ。

そんな中途半端な覚悟でこの子を口説こうなんて100年早いのよ。

この子をナンパしたいなら自分見直して出直してきなさい」



「す、すみませんでしたぁ!」



男の子は逃げるように店を出て行った。



ご、ごめんなさい…



ご飯誘ってくれただけだったのに…


< 203 / 721 >

この作品をシェア

pagetop