独り占めしても、いいですか?
「日和、大丈夫?」



男の子が出て行くのを見届けた絢香は、無邪気な絢香に戻っていた。



お、恐ろしい…



「うん、あ、ありがと…」



「いーって!」



「でも、大丈夫…?」



今ので印象が大分変わったような…



女優のイメージ崩れちゃったり…



チラッと野次馬に目を向けると…



「なんか、怖かったけどかっこよかったよね!」



「うん、あんな風に撃退するなんて素敵…」



あ、心配ないみたい。



逆に評価はアップしていた。



「日和、全員にサイン、まだ書き終わってないからさ、ちょっと待っててくんない?」



「うんっ、全然大丈夫だよ!」



1人1人にサインするのかぁ…



一見キリがないことに思えるけど、絢香の姿は真剣そのものだった。



本当にファンのみんなを大切にしているのがわかる。


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