独り占めしても、いいですか?
「それにね」



絢香が突然振り返った。



「私、ファンの人には絶対笑ってて欲しいんだ!

私の演技なんかで笑ったり、泣いたりしてくれる人がいる。

それが私の仕事だけど、そういう人がいるって、凄く幸せなことだと思うんだよね。

だから、私は私のことを大事に思ってくれるファンの人を1人1人大切にしたい。

もっと笑顔で居て欲しい」



ニコッと笑った絢香は輝いていた。



プロだった。



私とは住む世界も、価値観も、見ているものも何もかも違う。



私には、眩しすぎた。



「もちろん、日和にもね!」



私はこの人の隣に肩を並べていいのだろうか。



人間としての器が違う。



私は友達として、この人に何かをしてあげられるのだろうか…


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