独り占めしても、いいですか?
「……5秒だけな」



その言葉を聞いて、いつものようにギュッと凛を抱きしめた。



結局私の言うことは大抵聞いてくれる凛が可愛い。



ドクンッ



大きく心臓が鳴る。



「……5秒経った!離れろ!」



……なんて律儀な。



「もうちょっとだけ…ダメ?」



そう言って顔を上げると…



ドキッ



顔を真っ赤にした凛と目が合った。



な、何この顔…



凛につられて私も顔に熱がこもる。



「ダメだっつってんだろ!

俺が色々とやべーんだよ!」



少し気が抜けた隙に引き剥がされてしまった。



2回目はダメかぁ…



渋々諦めると、透が手を広げてきた。



「俺に来い」



・・・


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