独り占めしても、いいですか?
「そういえば、いいアイディアは浮かんだの?」



昼間、絢香と一緒に買い物へ行った私は、話し合いの結末を知らない。



知らないうちにヒントはあげてたみたいだけど…



「うん、そーなんだよ!

秀ちゃんがね…ふがっ」



「優希、ストップ」



秀ちゃんが優ちゃんの口を塞ぐ。



優ちゃんの落ち着いた様子を見ると、スッと手を離した。



「私にはダメってこと…?」



ここでまた心の壁を感じる。



わかってるんだけどね。



いくら幼なじみだからって、仕事のことをペラペラ話していいものじゃない。



「ダメっていうか…

当日のお楽しみ?」



秀ちゃんはニコッと笑うけど、私には楽しみ感が全く無かった。



落ち込んでるわけじゃないんだけどね。



それを感じ取ったのか、透が私の頭をそっと撫でる。



「そう暗い顔すんなって!

ぜってーびっくりさせてやっから!」



「うんっ、楽しみにしてるね」


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