独り占めしても、いいですか?
トントントン



邪魔しちゃいけないと思って、出来るだけ小さな音でノックする。



……カチャ



そろーっとドアを開けて中を覗くと…



「えっ、絢香⁉︎」



ソファで毛布を被り、倒れている絢香がいた。



この季節に毛布を被るなんてただ事じゃない。



あまりにも予想外な出来事に、少しパニックになりながら近づく私。



「えっ、日和…?

あちゃー、バレちゃったか」



「やられた〜」と言いながら力なく笑って頭に手を当てる。



「バレちゃったか…じゃ、ないよっ!

どうしたの…⁉︎」



疲れ果てたように笑う絢香は、さっきと比べ物にならないくらい弱っていた。



近くに行くと、少しだけ熱気が伝わってくる。



もしかして…と思って額に手を当てると、ものすごい熱だった。


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