独り占めしても、いいですか?
「ねえ、私が…

私が、絢香の代わりにステージに立っちゃ…ダメかな?」



自分の言った言葉に驚いたのは自分だった。



私は芸能人じゃないし、ファンなんていないし、何かにかける情熱もない。



だから絢香やSunlight、Infinityのみんなが羨ましい。



いつも、そんなみんなに助けてもらってばかりの私。



けど、私だって助ける側になりたい。



絢香の為に、友達として何かしてあげたい。



絢香がゲスト出演するってことはお客さんには知らせてないって凛が言ってたから、私が代わってもなんとかなるはず。



「えっ⁉︎

でも、日和は目立つの苦手なんじゃ…

練習時間もないし、リハーサルだって昨日のうちに終わらせてるのに…」



そうだよ。



目立つのは苦手。



下手したら倒れちゃいそうだもん。



やりたくない。



でも、絢香のことも助けたい。


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