独り占めしても、いいですか?
それを見た絢香が、ガシッと私の肩を掴んで揺らす。



「凛君といてドキドキしたり、胸が苦しくなったりしないの⁉︎」



それは…



「……する」



絢香はホッとしたように私の肩を離した。



「なーんだ、それが好きってことなんだよ」



知ってるよ。



ずっと前から、知ってる。



「もしかして世間とか気にしてんのー?

それなら大丈夫だって!

凛君なら絶対上手く隠すし、日和のことならSunlightのファンも知ってるんだし。

そんなこと気にしないで…」



「違うの」



思わず絢香の言葉を遮ってしまった。



私のことを想ってくれてる絢香の気持ちが辛かった。


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