独り占めしても、いいですか?
「私、みんなのことが大好き。

みんなといられる時間が1番好き。

みんなが私のこと好きなのかな…っていうのも、なんとなくわかってる。

でも私は、全員に恋愛感情は持てない。

みんなの気持ち、私の気持ち、全部知ってる。

…あたしは…1人だけなんて、選べないよ…

ねぇ、みんなと笑ってるだけじゃダメなの?

絶対に悲しむ人を生まないといけないの?

私は…やだよ、ずっとみんなと一緒がいい。

もしも、凛と付き合うことで、それが壊れちゃうなら…

そんな幸せはいらない。

だから、私は凛のことを好きじゃないんだよ」



私の答えを聞いた絢香はしばらく言葉を失っていた。



ごめんね、絢香。



でも、私は好きになっちゃいけないから。



誰かのためとかじゃなくて、自分のために。



みんなと変わらない毎日を過ごすために。


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