独り占めしても、いいですか?
「俺が言いたかったのはそれだけ。

じゃ、楽屋に帰るな。

ひよ、いつもの…」



そう言って颯斗兄いが左頬を私に見せる。



身体が少し高く持ち上げられて、顔が近くなったところでほっぺたにチュッとキスをした。



今度は私の左頬に颯斗兄いがキスする。



「じゃあな、ひよ」



「うん、颯斗兄い、またねっ」



ゆっくりと地面に足を付き、颯斗兄いを見送った。



本当は、私に会いに来たんじゃなくて、凛達に会いに来たんじゃないかな?



私がオマケだったって気がする。



私の手前、そんなことは言わないだろうけど。



ガチャと音を立ててドアを閉める。



颯斗兄いに会うの久しぶりだったからもうすこし話したかったなぁ…



ううん、大丈夫。



また近いうちに会えるよね…!


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