独り占めしても、いいですか?
「秀ちゃんのクラスは縁日だっけ…?」



「うん、そうだよ。

全員浴衣を着て接客するんだ。

準備は大変だけど、仕事とは違うやりがいがあって楽しいかな」



仕事とは違うやりがい…



文化祭ならではの、クラスのみんなと共有できるやりがい。



「私は…準備の仕事がないの。

凛が全部取っちゃうんだもん」



思い出してまた膨れる。



「ははっ、まあ、凛ならやりそうだね」



軽く笑って受け流す秀ちゃん。



「笑ってる場合じゃないよっ。

このままじゃ私、何もできないまま文化祭を迎えちゃうんだよ?

凛は過保護過ぎなんだもん。

そりゃ、みんなも過保護だけど…凛は度を超してる…!」



「まあまあ、凛も日和を守りたくて必死なんだよ。

日和も、そういう凛に守られてるって感じてるだろ?」



「………」



まぁ…そういうことがないこともないけど…




「俺からちょっと言っておくから、わかってあげてくれる?

明日は少しくらい準備手伝わせてくれるようにしとくからさ」



「うん…」



あの凛が納得するのかな…?



いや、でも秀ちゃんに言われたら、やっぱり納得せざるを得ない状況になりそう。



ちょっと、信じてみようかな…!


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