独り占めしても、いいですか?
「ふふっ、何ですの?

新しい遊びかしら?」



さすがシェリーちゃん。



直生君の気持ちを1ミリたりとも汲み取っていなかった。



「おい、なんか様子おかしくねーか?」



この様子を不審に思った凛が眉間にしわを寄せる。



それに気づいた直生君が、限界と思ったのか、



「よし、シェリー、俺達はもう帰ろうか。

日和ちゃん達の準備の邪魔をしちゃいけないからね」



と、強引に話を切り上げた。



「えっ!もう帰りますの⁉︎

今やっと日和に会えたばかりでしたのに…」



「この続きは文化祭の時に、ね?

それじゃあ日和ちゃん、一ノ瀬君、また」



そう言って無理やりシェリーちゃんと颯斗兄いを引きずって行ってしまう。



あっという間に見えなくなった。



だ、大丈夫かな、シェリーちゃん…



あの直生君なら何をするかわかんないよ…



文化祭の時に聞いておこう…



「……なんだったんだ?今の。

…つか日和、材料は?」



「あっ、そうだった…!」



私はダッシュで生徒会室に向かった。


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