独り占めしても、いいですか?
「雛咲さん、次のシフトのやつ2人来たから一ノ瀬と抜けていいよ」



私達と交代予定の立花君がネクタイを直しながら話しかけて来た。



時計を見て確認すると、時間は10時20分。



本当の私のシフトは45分まで。



だけど、みんなの気遣いで30分までにしてくれた。



それでも時間まであと10分ある。



「まだ時間じゃないから大丈夫だよっ」



「いーや、もう迎え来てるし」



そう言って親指で廊下の方を指差した。



つられて目を向けると、廊下には透、秀ちゃん、優ちゃん、朱莉が迎えに来ていた。



みんな、シフトの時間私達より先に終わっちゃっんだ。



「俺、一ノ瀬に言っとくから雛咲さん先着替えて来なよ」



爽やかな笑顔を見せる立花君はクラスの人気者。



もしこのクラスに凛がいなかったら、確実に女子の人気は立花君に集まっていたと思う。



「ごめんね、ありがとうっ」


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