独り占めしても、いいですか?
「シェリー、ほら」



いつのまにか、さっき買いに行ったはずの直生君がもう戻ってきていた。



「あ、ありがとうございます…

随分早かったですわね…?」



「近づいたらみんなが順番を譲ってくれたからね。

並ばずに済んだよ」



すごい、さすがはトップアイドル。



これは権力乱用にはならないのかな…



両手で持ったクレープをまじまじと見つめるシェリーちゃん。



そ、そんなに珍しいのかな…?



「では、参ります…」



ゴクリと唾を飲んでゆっくり口元へ運んで行き…



パクッ



クレープを一口食べたシェリーちゃんは何度か口の中で噛むと、ゴクッと飲み込んだ。


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