独り占めしても、いいですか?
「大丈夫だよ、無理しなくて。

俺が食べるから」



直生君がヒョイっとクレープを取り上げて大きく一口食べた。



それを見て私は、



か、間接キスだぁ…!



リアルカレカノ…!



と心の中で騒ぎ立てる。



間接キスされたのはシェリーちゃんなのに、その現場を見て私までドキッとして、少し顔が赤くなってしまった。



なんで私が赤くなってるんだろう…



シェリーちゃんは……?



あっ、私よりも赤くなってる。



ゆでダコみたい…



「人が食ったもの食べるとは直生らしくねーな。

俺達の食べかけですら食わねーくせに」



颯斗兄いがニヤニヤしながら直生君を突く。



「颯斗、余計なこと言わないようにね」



直生君が颯斗兄いのほっぺたをつねった。



直生君もシェリーちゃんと同じ…誰かが口をつけたものを食べるのを嫌う…



つまり、シェリーちゃんが特別…ってこと⁉︎



ベタ惚れだ…!



あの腹黒大王を惚れさせるなんて…さすがシェリーちゃん…恐るべし。


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