独り占めしても、いいですか?
「全くひどい言いようだな…」



「颯斗兄い、みんなに嫌われる何かでもしたんじゃないの?」



「……ノーコメント」



嫌われること、しちゃったんだ…



「で、次はどこに行くんだ?」



颯斗兄いが私の手を取る。



凛よりも大きくて、分厚い手。



中指に付けた指輪の部分がひんやりとする。



指の長さは…凛の方が少し長いかも。



……ダメだ。



凛が近くにいないと逆に凛のことを考えちゃう。



凛のことは少し忘れよう…



「颯斗兄い、シェリーちゃんも言ったでしょ?

ここからは女子会だよ?

だ、か、ら…」



繋がれた手をそっと離す。



「ごめんね、見守るだけにしてね」



私だってみんなを不安にさせたいわけじやまないし、颯斗兄いに変な期待を持たせたい訳でもない。



颯斗兄いはちょっとショックを受けた顔をしてるけど、これくらいはしないと!



「んじゃ、日和、シェリー、女子会といきますか!」



「うんっ」



「はい!」


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