独り占めしても、いいですか?
「日和、音楽系人間だったわけ⁉︎」



音楽系人間…って、何…?



「えっと、うん…?

小さい頃、颯斗兄いと一緒にいろんな教養を受けてたから…

音楽もその一環で…」



颯斗兄いにくっついて私も同じ英才教育を受けてたことを思い出した。



あの頃はそういう教育が普通だと思ってたもんな…



だから特に苦に思うこともなかったけど…



今考えてみれば、颯斗兄いの家が普通じゃなかったんだ…



「教養って…

あの人そんなすごい家の子供なの?」



「うーん、私もよくわかってないんだけど…

お父さんが偉い人みたい…?」



そういえば、颯斗兄いのお父さんの仕事、ちゃんと聞いたことないかも…



「あら、お2人ともご存知なかったの?

颯斗様のお父様はジャパンの警視総監ですわよ?」



「「警視総監…⁉︎」」



私と朱莉は勢いよく少し離れた席に座っている颯斗兄いの方を振り向いた。



それに気づいた颯斗兄いが首を傾げ、私は『なんでもないよ』という風に首を振って机に向き直る。



颯斗兄いのお父さん、そんなに偉い人だったんだ…



警視総監の息子がアイドルなんて…合わないにも程がある…


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