独り占めしても、いいですか?
「ええ、私はそう伺っております。

……それより、私は歌の方が気になりますわ!

あの曲にはどんな想いが込められていますの?」



「想い?

その曲、空の歌じゃないわけ?

雨とか太陽とか星とか…」



「確かに歌詞はそうですけれど、歌には必ず作った方の想いがあるものではなくて?」



「あー、まあ、確かに…

サビ以外は空の歌っぽくはないし、空は比喩表現なのかも…

日和、どうなの?」



『想い』か…



それを言葉にして伝えるのは難しい。



その時の感情を覚えていない…とかじゃなくて、なんて言ったらいいかわからない感情だから。



簡単に言ってしまえば、『嬉しい』が1番近いのかもしれないけど…



あの時の私の気持ちは、そんな一言じゃ表せない。



言葉にならない感情だった。



この歌は、そんな気持ちを歌った歌。



「これは凛達4人と私のことを歌った曲なの。

4人と、本当に友達になった日に作った歌」



曖昧に答えてニコッと笑った。



私はあの日のことを1日だって忘れたことはない。



私を変えるきっかけになった日。



それを忘れないために、歌にした。


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