独り占めしても、いいですか?
「颯斗様がご存知になったら、『俺のためにも作ってくれ』なんて、仰るのかしら」



シェリーちゃんが楽しそうにクスクスと笑った。



「颯斗兄いは、この曲、知ってるよ?

それに、歌詞も音程も完璧なんだ〜」



「あら?そうでしたの?」



私が教えたわけじゃ無いんだけどね…



私があまりにも頻繁に歌うものだから、颯斗兄いまで全部覚えちゃったみたい。



「けど……ヤキモチ?なんかは、ないかな…

颯斗兄い、少しだけ…負い目を感じてるから…」



あっ…と気づいた時には遅かった。



私が少し悲しそうな顔をしたからか、朱莉とシェリーちゃんはそれ以上聞いてこない。



暗い空気にしちゃった…かな?



微妙な感じで話しちゃったのが悪かったかな…



うーん…、私からしたら暗い話じゃ無いから話したっていいんだけど…



颯斗兄いに聞こえたら、また傷つけちゃいそうだし…やめておこう。


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