独り占めしても、いいですか?
「それより、私はシェリーちゃんと直生君の関係の方が気になるな〜。

身分の違う2人が、どうやって出会ったの…?」



少し離れたところにいる直生君に聞こえると怖くて、少し声のボリュームを下げる。



実はこの間シェリーちゃんと久しぶりに会った日からずっと気になってた。



けど、シェリーちゃんの側にはいつも直生君がいたから、なかなか聞けなくて…



聞くなら今しかない…!



「それ私も思ってた。

ぶっちゃけ付き合ってんでしょ?」



そっか、朱莉ははっきりした事実を知らないんだっけ…



それを思い出して、一瞬『この話を振って大丈夫だったのかな…?』と不安になった。



この間直生君に、2人の関係は秘密にするよう言われたばかりなのに…



横目で直生君を見たけど、気づいてないみたいでとりあえず安心。



「私達ですか…?

えっと…簡潔に言えば、婚約者ですが…」



そこまで言ってシェリーちゃんは少し悲しそうに下を向いた。



その様子を見て、『婚約者⁉︎』と叫びたい朱莉も口を塞ぐ。


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