独り占めしても、いいですか?
「いやいやいや、あの人だって相当シェリーのこと好きでしょ」



朱莉の言葉を聞いてシェリーちゃんがキョトンとする。



「えっと、ですから、この婚約はお祖父様が決めたものであって…」



「そんなの関係無しに、あいつはシェリーに惚れてるってこと!」



朱莉の言葉にもう一度キョトンとして目を丸くしたシェリーちゃんだけど、すぐにまた下を向いてしまった。



「そんなこと…ございませんわ。

好きなのはいつも私ばかり…」



今にも泣き出しそうな顔をする。



シェリーちゃんって…意外と自分のことには鈍感…?



「直生君は、ちゃんとシェリーちゃんのこと好きだと思うよっ…!

2人のこと見てたら、それだけで好きってわかっちゃうくらいっ!」



「そうそう、てゆーか、フツー嫌いな奴にあそこまで世話焼かないから」



私は「ねー?」と朱莉と顔を見合わせた。



けど、私達の言ってることは、きっとシェリーちゃんには半分も伝わってないんだろうな…



なんで気づがないんだろう…



わかりやすい行動はいくつもあったのに…


< 421 / 721 >

この作品をシェア

pagetop