独り占めしても、いいですか?
「えっ、あー、すみません。

まだ集計が終わってないみたいで…」



司会者の生徒会長さんが頭を掻きながら言った。



えっと、つまり…まだ発表できない…?



無駄にドキドキした…



「いやー、なんせミスターコンは投票者が多いもんだから〜。

先にミスコンの発表しちゃいますねー!」



その言葉を聞いて一度ほぐれた緊張が、また戻ってきた。



ファイナルステージに残ったのは3人。



学校のマドンナと呼ばれる3年生の先輩、中学生の頃にモデル経験のある2年生の先輩、そして、私。



大丈夫かな…



ダダダダダ…



再び小太鼓の音が鳴り始めた。



精一杯やったし、サポートしてくれたみんなのためにも…!



ダンッ!



「優勝は…1年10組、雛咲 日和さん!」



一瞬だけ、時が止まった気がした。



「キャーーー!」



みんなの歓声で時が動き出す。



私…勝った…?



今、優勝って…



本当…だよね…?


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