独り占めしても、いいですか?
「おめでとうございまーす!

一言お願いできますか?」



生徒会長さんが私にマイクを向けてきた。



ステージの下に目を向けると、みんなのキラキラした顔がいっぱい見える。



私、優勝したんだっ…!



少しだけ…うるっとしてしまった。



「雛咲さん…?」



「あっ、ごめんなさい」



静かに息を吸って、ニコッと笑って前を向く。



「まだ、実感は湧かないんですけど…

無事、今もここに立って居られること、優勝してみんなの笑顔を見ていられること。

全部、私1人じゃ叶いませんでした。

みんなに助けられたから、私も頑張ることができたんだと思います…!

本当に、ありがとうございました!」



涙ぐみそうなのを我慢して90度頭を下げた。



大きな拍手が起こって、さらにみんなへの感謝が身体中から溢れ出す。



感謝してもしきれない。



「それと、1番近くで私を支えてくれたSunlightのみんな…

本当にありがとうっ!」



1人1人と目を合わせて、見渡しながら言う。



「毎日みんなに助けられてばかりの私だけど、少しはみんなに追いつけた…かな?

いつも私のそばにいてくれて、護ってくれて、ありがとう…!

私も、みんなの支えになるような存在になりたいなって、思ってます。

だから、これからもよろしくねっ。

凛、透、秀ちゃん、優ちゃん…みんな、大好きですっ!」



最高の笑顔を4人に向ける。



私が話している間に、泣き虫な凛ともらい泣きが得意な優ちゃんは涙を流していた。



全く…大げさなんだから…



素直に嬉しいけど。



「雛咲さん、それは告白と受け取っていいですかー?」



「あっ、えっと、そういうわけじゃないです…!」



生徒会長さんの上手い流し方で、生徒の間に笑いが起きる。



司会上手だなぁ…


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