独り占めしても、いいですか?
「あとさっきから思ってたけどさ…

あの直生って人、キャラ変わりすぎじゃない?

まぁアイドルだし察するけど」



そう言われた瞬間肝が冷えた。



婚約者のことをバラした挙句にキャラ変のことまでバラしちゃった…!



ど、どうしよう…



私、死ぬかもしれない。



「あの、朱莉?

このことはみんなには秘密で…

直生君にも、秘密で…」



「ん?

ああ、いいよ、なんとなく状況はわかる」



さすが朱莉様…!



「あー、くそっ、結局本題はなんなんだよ⁉︎

そんなことじゃねーんだろ?

早く言え」



うっ…やっぱり怖い。



「あの、ですから…その…」



照れるばかりで本題に入りきれないシェリーちゃん。



まぁ『私のこと好きですか?』なんて、私だったら言えないからなぁ…



すごく勇気がいるんだと思う。



「……あいつらが待ってっから帰るぞ。

空港には時間前に行く」



少し怒ったように言った直生君はシェリーちゃんに背を向けた。



私達はサッと物陰に隠れる。



このままだと直生君は帰ってしまいそう。



いいの?シェリーちゃん…



この機会を逃したら、次はいつ会えるかわかんないのに、このままで…


< 527 / 721 >

この作品をシェア

pagetop