独り占めしても、いいですか?
「それは、つまり…?」



「てめーで考えろ!」



「言ってくださらないとわかりませんわ!」



「………」



直生君がシェリーちゃんのことを好きなのはわかってる。



けど、アイドルじゃない直生君は素直じゃないから…



でもここで素直にならないと、多分シェリーちゃんは納得しない。



最悪婚約破棄なんてことに…



「ほら、やっぱり私のことなんて…」



「あーくそ!」



そう言った直生君はギュッとシェリーちゃんを抱きしめて…



「……」



何かを言った。



きっと。



私達と直生君の距離じゃなんて言ったのかまでは聞こえなかった。



けど多分、そう、きっと…



『好きだ』



とか、そんな言葉。



その証拠に、シェリーちゃんの耳が真っ赤。



顔は直生君の胸の中に隠れてて見えないけど、湯気が出そうなくらいに耳が赤くなっている。



「ふーん?

まあ、良かったんじゃない?

うまくいったみたいだし」



「うんっ!よかった〜」


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