独り占めしても、いいですか?
凛はその紙をじっくり見て…



プシュゥ〜と空気が抜けるように顔を隠して座り込んだ。



「なんだよそれ…

恥ずっ…」



顔は隠しているけど、耳が赤いからバレバレ。



私も一緒に座り込んで、いじるようにほっぺをつつきながら、



「へへっ、心配してくれてありがとっ」



そう言った。



「……そんな綺麗なもんならいいけどな」



顔は隠したまま、目だけで私を見る。



「どういう意味…?」



私が不思議そうに言うと、少し間をおいて…



「………独占欲」



と呟く。



ドキッと胸の奥が音を立てた。



そんなこと言われたら、私まで赤くなっちゃうよ…!



けど、ここでキュン死にしてしまったら、この後どう会話したらいいかわからない。



ここはあくまでからかってる風に…



「へへっ…つまり嫉妬してくれたんだ?」



「悪いかよ」



キュンッ



悪くないです!



すっごく嬉しい…!んだけどそれが言えないのがもどかしい…!


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