独り占めしても、いいですか?
「け、けどっ、私なんかが凛の横に並んでいいのかな…?

私、凛に釣り合うような女の子に、なれてる…?」



照れ隠しついでに、つい言わなくていいことまで言ってしまう。



「いや、それ俺のセリフ。

つか、気持ちがあればそんなの関係ねーよ」



とは言いつつも、なんだか思いつめた表情の凛。



何か…あるのかな?



「凛、何か…隠してるの?」



私がそう言うと、凛の目が一瞬見開いた。



やっぱり、何かあるんだ…



「日和、あの事件のこと…まだ、覚えてるよな」



あの事件…



あの事件って…あの事件?



「え?…う、うん」



忘れたりなんかしない。



あんなに怖い思いをしたことはなかった。



周囲の視線に敏感になって、体調が崩れるようになったきっかけの事件。



今はもう滅多に倒れたりとかはしないけど、あの時の感覚だけはぬぐいきれない。



「あの事件が…もし、俺のせいだったら…

どうする?」



・・・え?


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