独り占めしても、いいですか?
一瞬何を言っているのかよくわからなかった。



冗談かとも思った。



けど、凛の顔があまりにも真剣で、そうじゃないことは明らかだった。



でも、あの事件が凛のせい…って、なんで?



あの時の凛は私にとってのヒーローで、助けてくれた恩人で…



敵側の人間だった、なんてことありえない。



「どういう、こと…なの?」



「……姫乃の差し金で久龍 秋斗達は動いた。

けどその姫乃を動かしていたのは…」



うそ…でしょ?



そんなこと…あるわけ…



「俺なんだ」



「………」



言葉を失うとはまさにこのことだと思った。



凛が…黒幕…?



そんなこと…


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