独り占めしても、いいですか?
考え始めると止まらなくなって、頭が勝手に昔の記憶を引きずり出す。



『日和ちゃんって、ただの男好きなんでしょ?』



『俺、一ノ瀬 凛!よろしくな!』



『私に触らないで!』



『お前…いい声だな』



『どーせ、いつか見つけてもらえるだろ』



『あ!もう、ひよちゃんうさぎさんといたのー?』



『本当は、日和ちゃんさえいなければって思ってる』



ずっと封印していたものが、解き放れたみたいだった。



「はぁっ…はぁっ…」



息が乱れて呼吸が追いつかない。



「悪い、思い出させちまって…大丈夫か?」



「うん……平気」



大きく深呼吸をして息を整えた。



全部思い出した。



怖いから、考えないようにしてた。



そのせいで忘れてたこと、思い出した。



嫌なことも、嬉しいことも。



そして見つけた。



凛と、姫乃ちゃんの記憶。


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