独り占めしても、いいですか?
「……なんで、そこまで俺を信じられる?」



『裏切ったのに』



そう言いたげな表情。



「凛が裏切ってたことよりも、凛が助けてくれた事の方が、何倍も嬉しかったからっ!」



今でも、凛は私の中での王子様。



私を助けてくれるヒーロー。



そのことは変わらない。



たとえ、過去がなんであっても。



今は変わらない。



「それにね…」



私が言葉を続けると、凛は少し不思議そうに私を見た。



「透が、『凛は悪くない。信じてやってくれ』って、私に言ったの。

だから、信じることにした」



「あいつ…」



透の名前が出た途端、凛の顔がフッと少しだけ緩む。



私の1番のライバルは透かもしれない…


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