独り占めしても、いいですか?
「ひよちゃん!」



ギューーーッ



優ちゃんは走って来てそのまま私に抱きついた。



「きゃっ…」



勢いよく抱きつかれたから、支えきれず、ふらっとして倒れそうになる。



身長は同じでも、やっぱり体つきは私とは違って、



『ああ、優ちゃんも男の子なんだなぁ…』



って感じた。



「おっと…」



私の背後にいた秀ちゃんが素早く私を支えてくれる。



おかげで私も体制を持ち直すことができた。



「おい優希、勢いよく抱きつくなよ。

日和が危ないっていつも…」



「いいよ、凛。大丈夫」



私が少し微笑んでそう言うと、凛と透が私の手をそっと離した。



その手をそのまま優ちゃんの背中に回して目を瞑り、少しだけギュッてする。



心が落ち着く感じ…



「…ありがとっ、優ちゃん。

元気でたよっ!」



私が腕を緩めると、スッと優ちゃんも離れた。



「えー、もうー?

もっとギュッてしててもいいんだよー?」



「だって、あんまりやってると目立っちゃうもん」



私がそう言うと、優ちゃんはぷくっとほっぺたを膨らませた。


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